飲食店など二度とやりたくない

30歳でコーヒーのスタンドショップを開業。その後喫茶レストラン10年。和風ラーメン店10年。そこから得たもの、失ったもの

コーヒースタンドは何故儲かったのか?

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私が30年前に始めたコーヒースタンドは

最近街中で見かけるお洒落なカフェとはかなり違います。

 

店の場所は戦後から続いた市場の一角にある休憩所の一角でした。

建物はかなり古くて小汚く、モートラ

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何回もぶつけられドアは壊れ、窓には亀裂が入り、鍵の部分には

誰かが侵入しようと試みた形跡の穴が開けられていたり。

 

お客さんの層はというと市場で働いている人々、仕入れに来た人々、が中心です。

商店街のお魚屋とか飲食チェーン店、スーパーの鮮魚コーナーのバイヤー、その他様々な海産物に関わる企業の担当者。

それこそ私が言うのも恐縮ですが

ピンからキリまで集まります。

 

それに加えて魚を運んできたトラックの運転手、

夜の営業を終えて市場に遊びに来た飲食・飲み屋関係者、市場関係者の友達。等様々

 

 

基本的に企業の方以外は皆さんため口 

目上の人と話すときは言葉の語尾に「です」「ます」

をつけて「はい!」が言えればOK な場所でした。

 

田舎者で雑な性格の私にはピッタリの場所だったのかもしれません。

 

・家賃は水道光熱費全てブッ込みの12万円也

・店舗のコンセプトなど無し

・営業時間は午前2時30~10時30分まで(8時間)

・店休日は日曜祝日

 

【営業内容】 基本的に100円ショップです

カウンター・収納棚・等は最初から備え付け

コーヒーマシーン2台 コーヒー豆の卸元より無償で設置。

後にコーヒーストック用のポットを自費で3つ購入

 

   【主力商品 売価 100円】

   コーヒーマシーンで淹れたブレンドコーヒー

   ホットミルク カフェオーレ 

   トースト

    

 

    カップラーメン200円、サンドイッチ、おにぎり200円、

    リポビタンÐ150円 オロナミンⅭ150円 等

・一人で営業

 

スタートから10年間殆ど同じ形態で営業しました。

カップラーメン、リポビタンÐ オロナミンⅭ等は

スーパーや薬局の特売日にまとめて仕入れて粗利50%

 

コーヒー  ブラックで飲む人が大かったので粗利は75%位

ホットミルク  1ℓ200円の牛乳を6杯分でカップが15円位 粗利50%位

カフェオーレ  コーヒーと牛乳を混ぜるだけ 粗利60%位

カップラーメン 90円~120円位で仕入

トーストは100円でしたが50%位の粗利はありました。

サンドイッチとおにぎりは殆ど儲けは無かったと

思われますが、コーヒー等ドリンク類を売る為のアイテムとして置いていました。

 

開店から一か月後12万円の家賃や業者の支払いを済ませても

手元にまあまあのお金が残っていて、

15万円の開業資金は取り戻した感じです

 

これが2か月目以降も順調に売り上げが伸び

一年後には一月の売り上げが150万円以上になっていました。

全て差し引いた利益は大体70~80万円位

夏場はホットドリンク類の売り上げが下がるので

利益は落ちますが、それでも50万くらいは残りました。

続きは次回に

 

 

 

 

 

 

 

    

 

      

 

 

 

 

 

 

30歳の時始めたコーヒースタンド 続編

飲食店など2度とやらないというタイトルでありながら

暫くは儲かった商売の話から始めなくてはなりません。

 

これは体験談です。

誇張や嘘、知ったかぶりは書きません。

そういう商売(飲食店)のやり方もあるんだなぁ

という程度で構いませんので、

儲かる商売と儲からない商売を肌で感じてほしいです。

 

私には人様に対して経営アドバイスするノウハウもなければ

成功哲学などもありません。

 

成功者ではありませんので、飲食店を目指す方が

もしここを訪れたら反面教師という位置づけで見てほしいです。

 

さて、前回の投稿で私が飲食業界に入った切っ掛けについて

お話しました。

 

コーヒースタンドショップ10年 

喫茶レストラン10年

ラーメン店10年

 

の順で経営をしました。

 

 

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今から30年前にさかのぼってコーヒースタンドから始めます

 

私は当時30歳で独身でした。平成元年です。

高校卒業文集の将来の夢という欄には

「喫茶店のマスターになりたい」と書いています。

 

社会人になって10年ほどサラリーマンをやりながらも

私の脳裏にその思いは残されていたのかもしれません。

 

前回の投稿で書いた、

寿司屋のご主人から紹介してもらった場所について

 

場所はいわゆる第三セクターといわれる施設の中にありました。

 

第三セクターって何?の方はこちら

employment.en-japan.com

 

第三セクターにも国内に様々な施設がありますが、

私のコーヒースタンドは市場のほぼど真ん中にありました。

 

寿司屋のご主人に連れていかれたその場所は

戦後から続く魚市場の中にあり

周りの建物は老朽化が進みボロボロでした。

 

寿司屋の営業が引けた夜中過ぎに連れて行って頂きましたが、

市場内は大型トラックが行き交い

忙しそうに働いている人たちがいて稼働中です。

今まで見たことが無かったので、そこはまるで別世界でした。

 

市場内に魚の仲卸が並んでる場所があり

飲食店などは少し離れた場所にあります。

 

私のコーヒースタンドは仲卸の中央に休憩場所があり

そこの一角でした。

 

休憩場所は複数の会社が管理しており

私が使えるのは畳4畳ほどの狭いスペースです。

 

 

古い市場は古い慣習が残っているものです。

第三セクターとは言っても

その中で昔から商売している会社や商店、

組合などが強い勢力を誇示しています。

 

その休憩所自体は広くもなく狭くもなく

カウンターや棚があって

すでに売店らしき事をやっていた形跡がありました。

 

自動販売機もタバコ、飲み物など4~5台設置済です。

その自販機は他者の管理下で運営されていました。

少なからず利権が絡んでいたように思います。

 

 

〈この写真のようにおしゃれではありませんでしたが、イメージです〉

 

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単なる思い付きで始めたコーヒースタンド

営業開始から程なくわかってくるのですが、

その場所がなかなかの曰く付きで、

飲食の営業が正式には許可されていませんでした。

 

許可を申請すれば却下され出来なくなる。

第三セクターですから。

そのまま

なぁなぁ的に黙って続けて、何も問題を起こさなければ何とか続けられそう。

そんな所です。

 

私の店と云うより

ヤドカリ的な感じで、詳しく知らされないまま

飲食店らしきものがスタートしたわけです。

 

寿司屋のご主人に許可をもらってから

2週間くらいで営業を開始しましたが、

いわゆる営業許可書は有りません。

 

私が入る前にもその場所で営業した人がいて

セルフ式のインスタントコーヒーやカップラーメン、缶ジュース類、おにぎりなど

いわゆる売店形式だったようです。

寿司屋のご主人曰く「やる気がなく、家賃を納めないので辞めてもらった」

と、言っていました。

 

私は商売の経験がなく

思いつくのは同じような形態の売店

自動販売機より少し美味しいコーヒーを100円位で売る事くらいでした。

 

当時(1990年頃)はまだスタバとかドトールなど無い時代でしたから

もちろんコンビニにもコーヒーのテイクアウトなどありません。

 

コーヒースタンドオープンに向け準備したこと

・一年間お世話になったアルバイト先の食品会社に辞める旨伝えた。

・近所にあった自家焙煎珈琲兼喫茶店に出向き

 豆の卸交渉とテイクアウトに関する一切の必要な物を用意していただくこと。

 支払いの月締めに関する条件などを交渉。

・サンドイッチ店にて商品の卸と値段・支払い条件を交渉

・町の牛乳完売店との卸交渉

 

オープンに先立ちやったのはこれくらいで、

直ぐOKを頂き交渉は問題なく終わりました。

 

開業資金は食品会社のアルバイトで稼いだ15~17万円くらいだったと思います。

貯金は有りませんでしたがやる気はありました。

 

 

営業時間は夜中の2時20分~朝の11時まで

やりながら問題があれば後で変えればいいし

自分で決めました。

従業員は私一人。

 

先に言いますが

このコーヒースタンドの商売は滅茶苦茶儲かったんです。

 

この後にやった喫茶レストランとラーメン屋では苦しみます。

 

地獄を見たといっても言い過ぎでは無い位にです。

 

このブログを訪れる飲食店希望者に

もう一度よく考えて頂だく為に

このブログに全て書き記しておきます。

もう今はやめていますし

私自身の生き様なので恥はここに書き捨てて

これからの人生を生きてゆく所存です。

 

良かった時期と悪かった時期を見れば

前に進むのか?考えが変わってあとずさりするか?

何かヒントになるかもしれません。

 

次回へ続きます。

 

 

 

 

 

 

30歳の時始めたコーヒースタンド

私が最初に始めた飲食店

30年も前ですので

もうずいぶん過去の出来事になってしまいました。

お寿司屋さんや弁当屋さんなどに食材を納入する会社に勤めて

10年が過ぎた頃、

突然昭和が終わりを告げ平成に変わりました。

 

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20代前半の頃はいわゆるバブル時代と言われる好景気真っ只中で、

世の中は金持ちだらけという印象でした。

私といえば給料14~15万円でこき使われていましたね。

 

 

仕事で独り立ちしたい思いを抱えたままちょうど10年が

過ぎていたその時

年号が変わり私にとってすごい衝撃でした。

年齢もちょうど30歳になっていましたし、

何か突き動かされるのを感じました。

 

30歳で脱サラするといっても何をするのかもき決まっていない。

大した資金もない。しかしここで決断しないと

思いを抱えたままズルズル過ぎてしまいそうでしたので、

何の後ろ盾もないまま取り敢えず会社に辞表を出しました。

 

10年務めた会社の退職金は50万円。

金額を見て逆にせいせいしましたけどね。

 

その当時 

私の友人は腕に職をつけて独立意欲の強い奴が多く

結構な高給取りになっていました。

バブルがはじけても、まじめにコツコツ働いてる人はそれなりに稼げる時代だっんです。

 

会社を辞めた後アルバイトしながら自分に出来る商売は無いか模索しました。

生活の柱だった食品会社の倉庫内の仕分け作業をやりながら

人に勧められるままマルチ商法に手を出したり、食パンの宅配をやってみたり、

アルバイトの先の倉庫で発注ミスで抱えた在庫を安く譲り受けて

それを近くの工業団地で売りさばいたり。

しかし、今ひとつ商売に結び付きません。

 

一年過ぎた頃には退職金の50万円はとっくに使い果たし、

友人のアパートに転がり込んで悠々自適(笑)の生活になっていました。

まだその頃は独身で高給取りの友人も多くいたのでずいぶん助けられました。

 

そんな時、

以前勤めていた食品卸会社の

お得意先だった小さな寿司屋さんにぶら~と飯を食いに行きました。

今思えば

その日が私の人生に転機だったようです。

 

寿司をつまみながら

ご主人と会社を辞めた経緯や現在の状況を話してるうち、

ある場所を紹介するから

そこで、商売をしてみる気は無いかと持ち掛けられました。

その場所こそが飲食店に足を踏み入れる切っ掛けとなった場所です。

 

初めてその場所に連れて行っていただいて、

見た印象は

「え~~~~!何ここ?」でした。

 

それでも資金なしでも出来そうだと言う事と、

当時独身だっのでその身軽さだけで決めたようなものです。

 

その場所で商売やって儲かるなんて到底思えませんでした。

 

商売の経験すらなく 有るのは野心と健康な体だけ。

取り敢えずコーヒースタンド形式の売店を始めました。

 

 

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当時使っていたのと同型のコーヒーマシーン

これを2台並べて

 

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紙コップに注いで手売り対面販売





開業資金はその月のアルバイトで稼いだ15万円。

貯金無し。

友人宅に居候の身。

借金は無かったので、

イザとなれば親、友人、知人等に、頭を下げて頼めば

50万円位は何とかなるだろうと言う計算は在りましたけど。

根拠があるわけもなく。

 

始めた当時は

出来なければ辞めればいいや的な発想しかありませんでした。

 

この根拠のない楽観主義と大雑把な性格のせいで

その後の飲食店経営で地獄を味わう事になります