30歳の時始めたコーヒースタンド
私が最初に始めた飲食店
30年も前ですので
もうずいぶん過去の出来事になってしまいました。
お寿司屋さんや弁当屋さんなどに食材を納入する会社に勤めて
10年が過ぎた頃、
突然昭和が終わりを告げ平成に変わりました。
20代前半の頃はいわゆるバブル時代と言われる好景気真っ只中で、
世の中は金持ちだらけという印象でした。
私といえば給料14~15万円でこき使われていましたね。
仕事で独り立ちしたい思いを抱えたままちょうど10年が
過ぎていたその時
年号が変わり私にとってすごい衝撃でした。
年齢もちょうど30歳になっていましたし、
何か突き動かされるのを感じました。
30歳で脱サラするといっても何をするのかもき決まっていない。
大した資金もない。しかしここで決断しないと
思いを抱えたままズルズル過ぎてしまいそうでしたので、
何の後ろ盾もないまま取り敢えず会社に辞表を出しました。
10年務めた会社の退職金は50万円。
金額を見て逆にせいせいしましたけどね。
その当時
私の友人は腕に職をつけて独立意欲の強い奴が多く
結構な高給取りになっていました。
バブルがはじけても、まじめにコツコツ働いてる人はそれなりに稼げる時代だっんです。
会社を辞めた後アルバイトしながら自分に出来る商売は無いか模索しました。
生活の柱だった食品会社の倉庫内の仕分け作業をやりながら
人に勧められるままマルチ商法に手を出したり、食パンの宅配をやってみたり、
アルバイトの先の倉庫で発注ミスで抱えた在庫を安く譲り受けて
それを近くの工業団地で売りさばいたり。
しかし、今ひとつ商売に結び付きません。
一年過ぎた頃には退職金の50万円はとっくに使い果たし、
友人のアパートに転がり込んで悠々自適(笑)の生活になっていました。
まだその頃は独身で高給取りの友人も多くいたのでずいぶん助けられました。
そんな時、
以前勤めていた食品卸会社の
お得意先だった小さな寿司屋さんにぶら~と飯を食いに行きました。
今思えば
その日が私の人生に転機だったようです。
寿司をつまみながら
ご主人と会社を辞めた経緯や現在の状況を話してるうち、
ある場所を紹介するから
そこで、商売をしてみる気は無いかと持ち掛けられました。
その場所こそが飲食店に足を踏み入れる切っ掛けとなった場所です。
初めてその場所に連れて行っていただいて、
見た印象は
「え~~~~!何ここ?」でした。
それでも資金なしでも出来そうだと言う事と、
当時独身だっのでその身軽さだけで決めたようなものです。
その場所で商売やって儲かるなんて到底思えませんでした。
商売の経験すらなく 有るのは野心と健康な体だけ。
取り敢えずコーヒースタンド形式の売店を始めました。
当時使っていたのと同型のコーヒーマシーン
これを2台並べて
紙コップに注いで手売り対面販売
開業資金はその月のアルバイトで稼いだ15万円。
貯金無し。
友人宅に居候の身。
借金は無かったので、
イザとなれば親、友人、知人等に、頭を下げて頼めば
50万円位は何とかなるだろうと言う計算は在りましたけど。
根拠があるわけもなく。
始めた当時は
出来なければ辞めればいいや的な発想しかありませんでした。
この根拠のない楽観主義と大雑把な性格のせいで
その後の飲食店経営で地獄を味わう事になります